「施策」なき政策が、投票率を下げている
- Keiji Takemura
- 5月29日
- 読了時間: 3分
選挙のたびに「投票率の低下」が話題となります。
特に若い世代における政治離れは深刻で、「誰に投票しても変わらない」といった声を耳にすることも少なくありません。
ですが、その背景には
「政策があるように見えて、実際には実現手段である施策が示されていない」
という、根本的な問題が存在しているのではないでしょうか。
1. 「絵に描いた餅」が政策として語られている現実
選挙公約や政見放送では、多くの候補者が「子育て支援を充実させます」「福祉を守ります」「地域経済を活性化させます」などと訴えます。一見すると心強く聞こえますが、肝心の「どのようにそれを実現するのか」が語られることは、決して多くありません。
たとえば――
その政策の財源はどこから確保するのか
既存制度との整合性はどう取るのか
どの時期に、どの段階で実行に移すのか
こうした実行計画(施策)が欠如している場合、その政策は“理想”に留まり、信頼性に欠けてしまいます。
その結果、有権者は「みんな同じことを言ってる」「結局、実現しないのではないか」と感じ、政治そのものから距離を置くようになるのです。
2. 有権者は“中身”を求めています
かつては、スローガンの力だけで支持を集めることができた時代もあったかもしれません。しかし現代の有権者、特に若年層や現役世代の方々は、耳障りの良い言葉ではなく「現実的な中身」に注目しています。
数字による裏付け
段取りを踏んだ計画
行政の制度と連携した構想
こうした具体性がない政策には、もはや誰も期待を寄せません。言葉の熱量ではなく、行動の根拠が求められる時代になっているのです。
3. 投票率は「信頼率」の裏返し
投票率が低いという現象は、「市民が選挙に意味を感じていない」という意思表示でもあります。
つまり、政治が“信頼されていない”ということの表れです。
実行の裏付けがない公約ばかりが並ぶと、「誰が当選しても何も変わらない」「どうせ実現しない」といった失望感が広がります。結果として、投票所へ足を運ぶ人が減っていくのは、当然の流れとも言えるでしょう。
反対に、「これは実現できそうだ」「この人ならやってくれそうだ」と思える政策や施策が提示されれば、有権者は必ず動きます。希望は、信頼によって育まれるのです。
4. 信頼される政策には「段取り」がある
信頼される政策とは、「やります」と声を上げることではありません。「このような段取りでやります」と具体的に説明できることが求められます。
たとえば、「子育て支援を拡充します」と言うだけでなく、
「保育士の待遇を改善するために、補助制度を再構築します」
「通園バスの無料化に向けて、予算の再配分を行います」
といった施策まで含めて語ることで、はじめて信頼される政策となるのです。
投票率の責任は、有権者ではなく候補者側に
「投票率が低い」と嘆く前に、政治に関わる側こそが、自らの言葉の重みと構想の現実性を見直す必要があります。政策に施策が伴っていない限り、有権者の信頼を得ることは難しいでしょう。
投票率を上げるために必要なのは、有権者を責めることではなく、候補者自身が“信頼される提案”を示すことです。一票を託したくなるような、根拠ある言葉と行動が、今ほど求められている時代はないのではないでしょうか。
ご希望であれば、さらに「地域別の事例」や「改善提案(公約案)」を付加した拡張版もお作りできます。お気軽にお申し付けください。
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