台風よ こんにちは
- Keiji Takemura

- 5 時間前
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先々週の金曜日のことである。
その日は夕方から調子が悪かった。
気が付けば両腕が重い。
特に肘から指先にかけて、だるさとしびれと痛みが混じったような嫌な感覚がある。
しかし仕事に差し支えるわけでもないので、あまり気にしていなかった。
その夜は眠れなかった。
腕の痛みが増し、なかなか寝付けない。
ストレッチをしたりマッサージをしてみたが、痛みが変わることはない。
そうなると、これは筋肉が原因ではないかもしれない。
疲労や筋肉痛なら、血行が改善すれば楽になるからだ。
朝が近くまで浅い眠りと目覚めを繰り返した。
土曜の朝、急に吐き気を催した。
慌ててトイレに駆け込み、こみあげる吐き気を解放しようとした。
今まで経験した吐き気は、酸っぱい胃液がこみあげてくるものだったが、今回は違った。
とにかく唾液がたくさん出る。
吐き気の苦しさに涙まで出てくるが、胃の内容物までは出てこない。
一通り吐き出して落ち着いたが、この体調不良が一体なんなのかわからない。
そこでAIで調べてみた。
吐き気と腕のしびれ・痛みが同時に出る疾患・・・。
「まずは落ち着いて今すぐご自身の状態を確認してください。」
オイオイ、何を言い出すんだ?
この症状が同時に出るのは心疾患か脳疾患の可能性が高いというのだ。
胸が締め付けられるような痛みや、めまいがあるなら救急車を呼べ、と。
吐き気があるので、梅雨時でもあることから、もしかしたら前日に食べたトマトクリームパスタ(自分で作った)が原因かもしれない。
トマトと鶏ささみを使ったのだが、トマト缶は二日前に開封してラップで蓋をして冷蔵庫に保管していたものだ。
鶏ささみは冷凍を電子レンジで解凍して、ほぐしてソースで煮込んだ。
鶏肉と言えば、かつて腐らせた(冷蔵庫が故障しており、中の腐臭がすごいことに)経験があり、少しトラウマになっている。
筋肉の麻痺症状を引き起こす食中毒菌ではボツリヌス菌があるが、トマトは酸性が強いので繁殖しづらいらしい。
しかし開封した缶ならカビが混入した可能性はある。
この場合、白いコロニーができるので見ればわかるはずだ。
鶏肉の食中毒菌はカンピロバクターやサルモネラ菌(これも一度経験済み)があるが、解凍直後の調理なので可能性は低い。
心臓か脳の病気なのだろうか。
私も50代、同世代で亡くなった友人は五指に余る。
がん、心筋梗塞、脳卒中の射程距離に入っている。
しかしそれらの重篤な病気を疑うほどの症状の強さはない。
そこではたと気が付いた。
もしかしてこれは昨年の交通事故の「ムチ打ち」の症状ではないだろうか?
折しも台風接近にともなう低気圧で、雨が激しく降っている。
そういえば6月最初に来た台風でも、朝方激しい頭痛がして驚いたな。
スマホで気圧を調べると、四国中央市は1002hPaである。
通常より1%ほど低い。
もしこの気圧変化で頸椎に影響が出ているとしたら、自律神経の乱れによる吐き気や、神経根圧迫による腕のしびれ、その他の症状がみられないことの説明がつきそうだ。
ならば台風の通過とともに症状も収まるはず。
昼過ぎには高知沖を通過するので、しばらく様子を見ることにした。
するとどうだ、本当に症状は消失し、体調が完全に戻った。
昨年の交通事故の後遺症で、むちうちが残っているのだ。
それは患者さんの話で聞いて、知識としては知っていたが、いざ体験してみるとこんなにもつらいものだとは思わなかった。
おかげで患者さんの辛さに寄り添えるようになった。
文字どおり「怪我の功名」である。
しかし台風が来るたびにこんな症状がぶり返してくるのかと思うと、暗澹たる気持ちになる。
私の代わりに仕事をしてくれる人はいないので、50代の体にムチ打って働くしかないのだ。
ムチ打ちだけに。

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